† マキキ聖城キリスト教会プレゼンツ「ルツのひとりごと」

イスラエル政府観光省公認ガイド
 柿内ルツ


●東京聖書学院卒業、エルサレムのホーリーランド大学神学修士終了、イスラエル政府観光省公認ガイド。
●イスラエルにおいて、日本語で聖書地理・考古学・自然界など、聖書の世界を学べる学校を造るのが夢!
イスラエル在住
●マキキ聖城キリスト教会では、そのようなビジョンをもったルツさんにホーリーランドの生情報として「ひとりごと」を提供していただいています。状況が浮かび上がってくるようなルツさんの「ひとりごと」をお楽しみ下さい。感謝
6月下旬


今日、イエスを信じるユダヤ人グループ(ビリーバーという)が一つ、献堂式をした
献堂とは「開所式」ってこと。
詰めれば300名ぐらい入りそうな広いホール。
「神様が満たしてくださる」という信仰で契約したら、信者でない家主が「お前たちは本当に信仰があるようだな」と冗談を言っていたそうな。

ここは小さな工場地域。礼拝する土曜日は安息日で工場は閉まり、あたり一帯に人気は無く、彼らは思いっきり賛美できる。

集会の指導者が6年ほど前から始めた、薬物中毒、アルコール中毒患者の施設から、この5年間で信仰を持った人々がリハビリかねてこの内装をした。
今日彼らは呼ばれて前に並んだ。ずらっと25名はいる。ほとんどがロシア人。

ロシアからの移民は、幼い時から家庭が崩壊している例が多く(ロシアは離婚率が高い)、イスラエルへ来ても仕事無く、もともとロシア人はお酒に漬かっている人が多く、ドラッグへはまる人が多い。
テルアビブやハイファにも、ビリーバーの中毒患者更生施設がある。そこもほとんどロシア人。もしくはアラブ人。実はパレスチナ社会にもドラッグは蔓延している。

この場所を祝福してくださいと、祈った。変な邪魔が入らないように、って。
エルサレムの集会所は、よく超超正統派のユダヤ教徒によって放火されてるから。何で警察は犯人を捕えないんだろう。

でも放火で新聞に載って、普段隠れキリシタンの彼らが日の目を見る。逆に良い証のチャンスとなるっているのも事実。紙上で賛否両論の記事が載る。

二千年前、初代教会がユダヤ人から迫害受けていたように。今も同じ。特にエルサレムは。
彼らは逆に、迫害で拡大していった。これも事実。

6月中旬


ここ一年ユダの山地に住んでいて、周りは小さな森林に囲まれている。
昨晩、深夜「ギャーン、ギャーン」とあまり聞いたことの無い、鳴き声が聞こえた。
このマンションのすぐ裏に、木々が生い茂った人の立ち入らない一角がある。何度かこの辺で狐をみかけた。狐の巣があるようだ。
巣の方から聞こえるから、あの鳴き声もきっと狐だ。

聞いたこと無いけど、日本の狐は「コーンコーン」と鳴くらしい。
イスラエルの狐は「ギャーン、ギャーン」と鳴く。
色々バージョンがあって、「ワギャーン」とか「ギャオ」とかとにかく濁音が入っていて、「コーン」なんて綺麗に透き通ったような音ではない。ヘブル語の影響か???とかありえないことを考えながら、うるさいと思いながら、また寝た。

「狐には穴があるが、人の子には枕する所も無い」イエスの言葉が響いてくる。
母国を離れ、海外生活をしていると、
ふっと、この言葉が脳裏をかすめることがある。

そっか、イエス様はこの地上で心休まる場所は無かったんだ。
安心して眠れる場所が無かったんだ。
そっか。
6月2日 午前11時

 山中にサイレンが響き渡った。数秒のうちに館内アナウンスが入った。我が建物でこんなアナウンスがあるのは初めてだ。
「避難訓練のため、すべての住民は二階にあるシェルターへ避難してください」
言われるまま、家の鍵と、アンテナが届くか分からないけど一応携帯電話だけもって二階へ降りた。建物が傾斜に建っているので、二階と言えど地下にあたる。格好のシェルターだ。

分厚い鉄の扉を持つ小ホールは、併設のトイレまで綺麗に掃除されていて、ソファーまである。これは開けばソファーベッドになる。お年寄りなどはちゃんとしたマットレスの上で寝れるという訳だ。

 道路を走っていた車も、一旦止まり、近くのシェルターないし防空壕へ避難したはず。
今日は、全国一斉避難訓練で、ハイテク会社だろうが、病院だろうが、このサイレンと同時に避難もしくはそれに備えたはず。
一緒に避難したご近所さんは「こんなの18年ここにいるけどはじめてよ」と言っていた。

 10分ほどで解除され、街は普通に動き出した。
イランからのミサイル、手近なところでは、ガザ地区からのミサイル攻撃に備えての訓練のようだ。まあ、核爆弾の場合は、全く対応できないだろうけど.......。

そう言えば最近、日本北部で、北朝鮮からのミサイル攻撃の時、誤報など避難に関して、かなり混乱が見られた。
一回、部分的で良いから、日本でも一県一斉避難訓練をやっておくのが良いだろう。
それも、今までのような地震、火事に対する避難ではなく、ミサイルを想定して.......?

「備えあれば憂いなし」 新型インフルエンザのマスク対応より、ミサイル対応の方を、一回でもやっておいた方が良いと思う。

 2-3分以内に避難できる場所を確保するのは重要なこと。
まあ、避難と言っても、シェルターもない日本ではどこへ隠れるのかすら分からず、右往左往するのがおちで、車などは渋滞し、事故もおきかねない。
相当難しいだろうなー。

 ということで、やっぱ日本での避難訓練はやらない方が良いのかもしれない。
いや、やらなくて済む国であって欲しい。

5月末

昨日、友人宅で割礼があった。
生まれた男の子は8日目に割礼を受けるようにと、聖書に規定されている。

さっきまでおとなしくしていた赤子も、何かいつもと雰囲気が違うと分かるのか、まだ切らない先から小さな声で泣き出す。ユダヤ教教師=ラビはさっさと進めていくが、母親は気が気でない。祈祷している間に、10分ほどであっという間に終了。これで彼も立派なユダヤ人だ。

割礼の儀式は、家庭によって色々。
今回は世俗派家庭の長男で、親族だけで自宅で執り行った。
それに比べ、宗教家などはわざわざホールを使って、成人式か、結婚式かと思うような派手な儀式と演奏があり、ご馳走も山ほど出る。三男でも、五男でも同じように派手にする。
しかも世俗派が2-3人しか子供を生まないのに対し、宗教家は大体子供が5人以上、多いと10人ほどは生んでいく。男の子が生まれるたびに大お祝いするわけだから相当お金がかかる。そしてその宗教家は一般の職業に就かない人が多く、往々にして貧しい。

そこでふっと思った。十分な収入のある世俗派は一応ユダヤ人という枠を最低限維持するために宗教儀式をし、財産は生活を豊かにするために使う。

反面、仕事しないため、収入も無く生活保護を受けているような宗教家であっても、宗教儀式は盛大にお金をかけてやる。無くても周りが助ける。
彼らはまるで、律法に従い、ユダヤの宗教儀式をすることで、存在の価値を見出すかのように。

同じイスラエル国に住むユダヤ人であっても、こんなに考え方が違い、生活スタイルは全く異なっている。
そりゃー政治をまとめようと思ったって、そんな簡単にいきっこない。

5月中旬2

こちらへ帰ってから一週間ほどはハムシーンが続いた。
夜は蒸し暑く、深夜に何度も喉が渇いて起きてしまう。
昨晩やっと涼しくなり、夜の景色がクリアになり、友人たちと一緒に街角のカフェに座った。

ハムシーンはアラビア半島からの、ムワッとした熱い東風で、熱いだけでなく、日本で言う黄砂のような空気がやってきて、町中を覆い隠す。不思議なことに、これが過ぎれば、イスラエルは若干涼しくなる。

そしてここ数ヶ月、毎日のように外務省からのDMが届く。
「豚インフルエンザ感染状況」のおしらせである。
どうも、毎日増え続けているらしい。鳥インフルがアジア中心とすれば、今度の豚インフルは欧米中心。
今日日本が突然二桁になった。日本人は心配性で普通行かないだろうちょっとの症状でも病院へ行って検査しているから増えたように見える。表を見ると、第三世界の方が感染数が低い。彼らはおそらく感染していないのではなくて、病院へ行って検査していないだけだろう。とすると、もっと感染者数は増えるはずだ。

それにしても、今回ヨーロッパの空港(パリやアムステルダム)を何度も通ったけど、日本人のようにマスクをつけている欧米人は皆無だった。イスラエルの友人なんか「豚インフルがなぜそんなに危ないの?普通の流行風邪の一種でしょ?」程度でたいした危機感がない。少々咳をしていても、熱が出ていても、街を闊歩している。

メンタリティの違いか?かなりこの辺に国民性が出る気がする。
5月中旬

だか、休むつもりが、そういうわけには行かなかった。
今まで色々国境を渡ってきたが、ここ10日間ほどは仕事と弟の結婚式(ベトナムだった)の都合で、地球の裏へ二往復ほどし、朝になったり夜になったり、おまけに飛行機は到着国の時間に合わせて食べさせられたり起こされたり、超ハード時差越えをした。
「こりゃー、アテンド(スチュワーデス)や、添乗員達が体壊すのも分かるなー」と言う感じだった。

後、イスラエルへ到着した11日は、その朝ローマ法王ベネディクト16世がベングリオン空港へ到着していた。まあ数時間ずれていたので、混乱にははまらず、スムーズに入国できたけど....。
友人たちは「ようこそイスラエルへ、法王とご一緒に」と迎えてくれた。
街に警戒態勢はあるものの、ヨハネパウロ二世のときのような大騒ぎは無かった。

スラエルの元総ラビ長メイール・ラウ氏と戦前から懇意にあったヨハネパウロ二世と違って、新法王は元ナチメンバーだったため、イスラエルの目は厳しい。

故、いまどき法王はイスラエルへ来たのか?
影響力を出す形で来るならもうちょっと後の方が良かったのではないか?
彼は法王就任早々、ホロコースト問題でパッシングされている。
今回の訪問に関して言えば、政治的影響力を期待され、「巡礼」の純粋性はかき消され、友人曰く「可哀想」に見えた。

●柿内ルツのイスラエルコラム(不定期に更新されています)。(2009新年KZOOラジオ生出演)
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